vol.44「同窓会」

2010.02

教師時代の最後に担任を持った卒業生たちとの同窓会。
この子たちは今年21才になる。中学時代この子たちと過ごした時間がどれほど大切なものであったかを今も実感する。
肩書きや利害で関係性が生まれるのではなく、いつも真剣に向き合う大人に対してだけ信頼と言う評価を与える子どもたちの正直さ。そんな環境で私は鍛えられ、学ばせてもらっった。
今、絵かきという世界に一人生きる中で、うぬぼれや高慢さを少しでも心に抱く時、かつてこの子たちと接した時の感覚を思い出せば、そんな浮ついた気持ちは何の役にも立たないことを気づかせてくれる。
夕方から始まった同窓会は朝まで続き、十何年ぶりに朝帰りをした。21才の生徒たちに、46のおっさんが朝まで付き合うのは、なかなかハードであるが、ただこの子たちが笑い、話し、歌う姿を見ているだけで幸せな気持ちだった。そしてこの子たちといつまでも一緒にいたいと思っているうちに朝になってしまった。
生徒と担任という関係は生涯変わる事はない。この日、生徒たちに伝えた思いは、俺は命ある限り夢に向かい絵を描き続ける、お前たちもがんばれと！
かわいい子達に感謝している、ありがとう。