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麦通信

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vol.70「船橋東武第10回個展」

2015.10.01

麦通信 船橋東武での個展も10回目になった。
船橋で応援していただき今がある。
そんな気持ちと、これからの絵かきとしての決意を少しでもこの個展に込めたかった。
今回チラシを作ることになり、そのチラシを制作していく中で気付きがあった。
誰に伝えたいのか?そんな自分と向き合いできたチラシに入れた文章です。

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船橋東武第一回の個展の時、新聞折込チラシの小さな私の作品写真を見て会場に来てくださり、
その作品を買って頂いたことを今も忘れない。
先日その方からお手紙が届いた、しばらく体調をくずされ入院されていたのだが無事退院。
けれど入院中に三十年来のお付き合いをされていた親友が、同時期に入院され亡くなられていた事実を知られた。
ここ数年いつもその親友と二人で私の船橋個展に来ていただいていた。
その親友はいつも控えめで、きちっとお話もさせてもらわなかったけれど、
私はどれだけあの時誠実に向き合いお話していただろうか...、ふとそんな事を思った。

美術画廊は絵を見ていただき販売をする場所、絵かきはそのお陰で絵が続けられる。
けれどその前に人と人とが出会う場所。
ここ船橋で出会い応援していただいた方々がおられたから、私は今ここに居られる。

いつ出会い別れが来るかわからない。
私が今できること、正直に向き合い「ありのままを、あるがままに」描き続けること。
人も絵も同じ、美しい目の前の自然に向き合いもせず、自分らしさを探していたのかもしれない。
写生をしていると自然は一時として同じ表情を見せてはくれない。
自然の前で戸惑い迷うけれど、考えてみれば自然と同じように私もそう変化している。

「変化していい」
自然も私も移ろい変る。

すべてがリンクした時に、頭で考えた自分らしさなどは消えさり、
心の奥底にある真実が現れるはず、 そして人へと伝わるはず、そう信じ描き続けている。
今まで未熟ながらも迷い生み出されてきた作品を応援して下さった方々。
そして真の表現へと歩みを進める中で必ずや出会うであろうまだ見ぬ方々。
すべての出会いに今この瞬間も感謝をしています。