vol.32「孤独な仕事」
2008.07.07
絵描き一本で生活をはじめ、良いも悪いも感じてきた今、あらためて絵描きとは本来、地味で孤独な仕事だと実感する。繰り返し描く毎日だが、マンネリ化した作品から感動する絵を描くことは出来ない。最低限度の生活基盤を失っても感情や精神のバランスを崩し絵を描けなくなる。そんな日々の生活を一人コントロールすることは、想像以上に努力が必要だ。多くの個展をこなしながら、作品の質を上げようとすれば、磨耗してゆく恐れがある。
いよいよ自分自身が作家として、生きる道を一つ一つ選択し決断する時期が来ているのかもしれない。
まだまだ自分自身の中にある、いらぬ欲を捨てること、そして大切にすべき人間関係とは何か。そんな事を毎日考え、絵と向き合っている。