vol.38「明日」

2009.04.15

明日から東急での個展が始まる。
後ろ向きな発言をする気は毛頭ないが、明日という日が来る保障は何もない。この話をすると、「なんてマイナス思考なんだ」と笑われた事があるが、私にとっては、明日あるかも知れぬ命という発想は、大変プラスなイメージだと思っている。
以前少しだけ絵を教えていた生徒のお父さんが、60歳で先日亡くなられた。バリバリと仕事をされていたと思う、その生徒さんは、お父さんが大好きで、何でも話せる父だった。60歳とは、仕事を退職し、これから第2の人生を歩みはじめる時。
けれど1日1日を精一杯生きてこられたお父さんであったであろう、でなければ、息子が強く愛せる人にはなり得ない。
私は今46歳、与えらられた時間は20年か30年か、予想もつかないが、明日をむかえられる限り、自分の納得できる作品に近づきたい。
生徒のお父さんのご冥福を祈りたい。