vol.56「震災から1年」
2012.03
言葉にしたとたんに嘘になるような自分の言葉。
復興、原発、表面に出ないコントロールされた情報や力関係の中で、弱者となる人々が生きるためには、強い意志も、判断も、体力も、知恵も、生きるための金も、信頼できる人間関係も、必要となるだろう。
先日「ふくしまの風」の上映会に行った。鑑賞後も私は絵を描き変わることのない日常を送っているが、社会は今どの方向に向かおうとしているのか。社会や震災という現実に何の影響も与えることのできない自分が、そして今まで好き勝手に生きてきた自分が、生き方の責任をとれるとは偉そうに言えないが、せめて向き合う現実に、強い意志と考えをもち生きていきたい。
そして、絵を描くという自身の表現の中でぐらいは、嘘のないものであり続ける努力をしたい。
震災も、この社会における矛盾や現実も、繰り返し自身に問い続けていくしかない。