vol.68「気になっていた」

2015.03.02

三日前に教え子のお母さんが重い病気だと言う事を耳にした。そのお母さんは「見舞いには来て欲しくない」と言っておられたと聞いた。
その本人の思いを大事にするほうが良いか、たとえ少しでも顔を見に行くのが良いか、、、悩んでいたやさき、亡くなられたことが今日わかった。
その後、なんとも言えぬ気持ちのまま一日を過ごしていた。

「人は皆、例外なく、いつかはこの世をさる」そんな事は僕も知っていたはず、
なのにどんどんその現実が実感として強くなる。

母を亡くし、父が年とともに衰え、身近な人々が病気になり、亡くなっていく。
もう決して人事とは思わない。
決して悲観的になっているのではない、1年後、5年後、10年後、いや明日が必ず来るのではない、だからこそ今を強く生きたい。
10年後どんな絵を描いていようなどと、だんだん考えなくなってきている。
今、その瞬間に感じたことを表現したい、そうと思う気持ちが強くなっていく。

亡くなられたお母さんとの時間を思い出しながら、手を合わせたい。
ゆっくりと休んで下さい、今までありがとうございました。