vol.5「2008年元旦」
2008.01.01
新年あけましておめでとうございます
昨年も多くの方々との出会いがありました。
自分が表現し伝えたいものとは何なのか大晦日の夜にもそんなことを考えていました。以前はスタイルを作ることにとらわれすぎた事もあった。けれど結局自分の意図的な、ねらや表現はいつもから回りしていたのかもしれない。
人はどうやらもっと違った何かを、ただ筆を通して描いた絵の中にそれぞれに感じていくものなのかもしれない。
私は人と出会い、絵を見てくださり感じていただく中で自分自身の一面を感じながら、普遍的な価値観に近づける作品を描いていければと思う。
前回の町田の個展で、病気が再発し転移したといわれ病状の悪い中で会場を偶然訪れてくださったお客様がおられた。マスクをし衰えた体で絵を見ていただいていた。その方からお礼の言葉をいただいた時、思わず「絵を見ていただいて何か少しでもお役にたてたのでしょうか」とお声をかけた。「本当に来て良かったです癒されました」とお返事をいただいたが、それは私が実感もできないほどの思いからの言葉であった。それは同情的な話や感傷的なことを言いたいのではなく、本当に何か少しでもこの自分の描く絵にそんな何かを伝える力があったのか?もし少しでもあったのならそのことを大切にしたい。どうかそのお客様にはご病気の回復を願うとともに会場で再会できることを願っています。
本当にありがとうございました。
こうして社会や人との関わりの中で今は制作を進める事が自分らしいかもしれないと最近思う。
そしていつかその先に何者にもとらわれず表現する自分の姿があると少しイメージするようになった。
今年もよろしくお願いします