vol.6「学研百科事典」
2008.01
年末の掃除も終え、ふと本棚から取り出した百科事典
これは小学校の時、母が誰からかもらってきた百科事典、それも10巻だけ、それは「新しい造形と美術10」であったからだ。
他の勉強もさえない息子が唯一好きだった分野と知ってもらってきてくれたのである。たぶんこの本は今持つ画集のどれよりも長い時間見ていたであろう。
このサイトのごあいさつで貼り付けている小学校時代のゴッホの模写もこの本から模写した。そして画像にあるフラゴナールの「読書する少女」は中学2年の時に同じくこの本から模写した。
言わばこの百科事典は幼き私の先生であった。
今日そのページを見ながら当時感動し共感した絵は、多くの絵を見てきた今も結局変わらず同じ絵に感動する。
百科事典を見ながら、知識でなく子どもなりに選び好きになっていた絵は、自分の中にある今も変わらぬ感覚で選んでいたのかと感じる。今はその変わらずに自分の中にある何かをつかみ表現したい。
フラゴナールを徹夜で模写し評価をもらい。校舎の階段に展示されたあの壁を今も覚えているが。結局、あの模写は先生から返却してはもらえなかったが、もう一度あの模写を見てみたい気がする。