vol.16「ジャコメッティ」
2008.02.09
彫刻家ジャコメッティが制作しながら何度も「壊す勇気があれば!」と、口にする。しかし、今私が個展を前にどこまで、そんな勇気が持てるか、、それは口で言うほど簡単な事ではない。
個展に必要な作品数は、もちろん仕上げる必要がある。それが出来なければ、駆け出しのプロ作家としては誰も仕事をくれないだろう。しかしながら今日25号の作品をつぶしてしまった。多くの絵の具をキャンバスに塗りこみ結果キャンバスを外す事は、なかなか辛いものだ。造る工程・プロセスを確立することは安定した作品を生み出すことにつながる。反面、変化がなくなり新たな表現や自分自身の可能性も制限する事にもなりかねないと私は考えている。そう言うと何かかっこいいかもしれないが、結局自分の納得できない作品に耐えられないだけの話である。船橋個展まであとわずか。体力も落ちているせいか風邪をひいたが、搬出ギリギリまで格闘するつもりだ。