vol.14「Michel その1」
2008.02.01
ここでは私が南フランスに行ったきっかけや、その日々を、数回にわけて話したい。1ヶ月という短い日々ではあったが、忘れられない体験となった。
彼は南フランスに住むミッシェル。彼を頼り、南フランスに行った。今、私がフランスの絵が描けるのは彼の支援のおかげである。彼自身も絵描きであるが、彼は昔、北海道を旅をしたとき、そのまま帰国せず北海道に6年間住んだ。口で言うのは簡単だが誰にでもできる事ではない。仕事を探し、今の日本人の彼女とも出会うことができたが、フランスの父の病気が悪化しフランスに帰国することになった。
私が絵描きになり、再びフランスに行きたいと考えていた時、日本人の人形作家である方を通して彼の連絡先を教えていただいた。彼はセザンヌの故郷エクス・アン・プロバンスに住んでいた。
はじめは彼とメールの交換からはじまり、すぐにフランスに行く予定であったが、私の母が重い病気であることがわかり延期した。ミッシェル自身も80歳を越す母がおり、介護をする立場でもあり、互いに母についての思いをメールでやり取りした。そのことで会う以前に互いの考えや性格を少し理解いし合えた。
そして私の母がなくなり四十九日を終えて、母の思いを胸に、導かれるようにフランスに行ったのである。